それなのに、
腕を掴むのはどうして?

凌兄はもう行っちゃうのに、
なんでこんなことするの…?


あたしは、どうして抵抗出来ないの。涙が流れてくるの。



いつも、突然過ぎる気がする…。


わからないことだらけ。

期待しちゃうといつも、それはあたしの勘違い。

何か、もっとちゃんとした言葉を…言ってほしい。
そうだという証拠を、見せて欲しい。


そしたら、あたしはもっと素直になれるのかな?





「や、めて…よ」

唇が離れると、精一杯の抵抗の言葉を零す。

聞こえていないのか、
聞こえているののになのか、
あたしの言葉は聞き入れてはくれない。


腕の中から離れようとガサゴソ動いてみても、強い力には敵わない。


更にぎゅっと、抱きしめてくる。



「離して…」

目に涙を溜めながら言うと、