「…あと1週間だぞ?」
わかってるか?って目で、諭すように言ってくる。
「…うん」
「後悔だけは、すんなよ?」
その言葉を残し、すっと歩いていく。
いつのまにか、家まで歩いて来ていた。
「…後悔」
勇紀に言われた言葉を呟いた。
今のあたしには、どっちもが後悔に思える。
気持ちを伝えなかったら…後悔する。
でも気持ちを伝えたら…もう家族には戻れない。
後悔…しないなんて、どうすればいいの?
頭がぐちゃぐちゃになって仕方ない。
お前の気持ちは?
さっき勇紀に聞かれたとき、答えられなかった。困ってしまった。
結局あたしはまだ凌兄が好きで。“お兄ちゃん”になんか出来てなかった。
ゴールの見えない迷路に、迷いこんだように。
あたしは……行き止まり。

