家に帰ったら聞いてみようかな…。

でも、なんて聞くの?


“今日見たんだけど、サッカーの試合でシュート決まってなかったよね?どうしたの?”


そんなこと、あんな悔しそうな顔してた勇紀に聞くの?

それはさすがに無神経すぎる、と思った。


きっと、そのことには触れられたくないはず。



そっとしておこうと思った。










『ねぇ、栞っ!!』


ぼーっとしていたあたしは、突然声をかけられ驚いた。

そして今、自分がぼーっとしていたことにも気が付いた。


顔をあげると…何故か複数の女の子達が、ぞろっとあたしの席に集まっていた。


あたしは訳がわからず、首を傾げる。

「…なに?」


女の子達はにこにこ、あたしに何か期待の眼差しを向けてくる。



なんだろう…?
そう思っていたら、


『お兄さんは今度いついらっしゃるのっ!?』


よくみると彼女達は熱っぽい目に、頬を赤く染め、乙女の顔をしていた…。

その彼女達から出されたのは、今最も聞きたくない人の名前だった。