来るわけないじゃん。
一瞬でもそう期待したあたしは、相当の馬鹿に思えた。
…頭がおかしいんじゃないか。
勇紀のサッカーの試合に、視線を戻した。
おっ!
また勇紀はゴールへと一直線に走っていた。
今度こそは決めてよね!!
そう思って、絶対決めるって確信していたのに……
……勇紀は、また外した。
これで2回目…。
ちょっとおかしい気がする。
やっぱり体調が良くなくて、調子悪いのかな…?
でも、遠目だけど勇紀は別に熱も風邪もなさそうだし、そんなだったらあんな全力疾走出来るはずがない。
…どうしたんだろう?
勇紀の悔しがる顔に、胸が痛む。
梓くんが、肩を叩いて勇紀を宥めているのが見えた。
大丈夫なのかな?
サッカー馬鹿の勇紀には、サッカーしかないのに…。
心配でしょうがなかった。

