『…まあ、凌がそうしたいなら別に構わないけど、どこに行くの?』
『こっから大学まで結構遠くてさ。だから大学の近くのマンションを借りようと思ってる』
イミガワカラナイ――。
一人暮らし?なにそれ。
大学の近くのマンション借りる?それ、こっから遠いじゃん。
『そう…。引越したらこっちには?戻ってこないの?』
『…んー、わざわざここまで来んの面倒だし、あんま来ないと思う』
“わざわざここまで来んの、面倒だし。”
心臓がズキッと痛んだ。
あたしたちのことなんて、どうでもいいの…?
“あんま来ないと思う”
ここから凌兄の大学まで電車で1時間半はかかる。
その近くに住むんだったら…
なかなか会えなくなっちゃうよ。

