……ただし。
時々、勇紀のを横取りして、恨みを晴らす。
そんなあたし達に冬兎はちょっと呆れ顔。雛も苦笑い。
まぁまだ若干奪い合いが続きながら、とりあえず、唐揚げを食べて幸せに浸っていた。
『ああ、そうだ母さん』
あまり喋っていなかった凌兄が、思い出したように言葉を発した。
『ん?なぁに凌?』
お母さんは唐揚げをナイフとフォーク使って、優雅に食べている。すげー。
『話したいことあるんだけど』
『何よ?改まって』
わざわざお母さんに話したいことって、なんだろう?
気になって、唐揚げを食べながらも耳と目を傾けていた。
『言わなくてもいいかもしんないけど、一応言っとく。
俺、一人暮らしするわ』
え―――――……?
ヒトリグラシ――?
その言葉に、あたしは凍り付いた。

