―――コーヒーを飲む姿に、ときめくようになったのは、いつから?
「凌兄おはよ!」
あたしは笑顔でそういうと、いつもの席に着いた。
…凌兄の顔は見ない。
どんな表情してるか、恐いから。
それから何秒か後に、「あぁ」って声が聞こえて…ホッとした。
気まずさはまだあるけど、ちゃんと言えた。
違和感もまだあるけど、普通に出来た。
……よかった。
返事が返って来て。
でも――これに慣れていくのかと、思ったら急に泣きたくなった。
…まだ駄目だったみたい。
もう少し、頑張る必要があるみたい。
もう少し、時間が必要みたい。
いつ忘れられるのかな……?
できるなら、早く忘れてしまいたいよ。

