そしたら…凌兄の顔みたら……眉間に皺を寄せて、黙ってあたしから目を逸らした。
認めるんだ……。
本当はあたしは…否定して欲しかったんだということに、今気付いた。
「…けど、あれは…っ!」
「別に嘘なんて、つかなくてもよかったじゃん……普通に付き合ってるって言ってくれれば…」
そしたら、この傷は、もう少し浅かったのかもしれない。
「栞……違っ」
「触らないでよ!!」
伸びてきた手を、拒否した。
あの人触った手で、触んないでよ…。
逃げるように部屋に飛び込んだ。目に涙が溜まってた。
さっきたくさん泣いたのに、また涙が零れてくる。
心臓がすっごくすっごく痛かった。
泣きながら、ケータイを取り出す。

