「それで…どうしたの?」
いつのまにかエナメルバックを肩にかけている。
優しい笑顔。それは梓くんにとっては普通なのかもしれない。
なんか…大人だなぁ。
妙な安心感を感じる。
「あ…そのね、公園に行きたいんだ!」
「公園?あ、あの大きな?」
「ううん、小さいやつ」
梓くんはちょっと考えてからあぁ…と納得したような顔になった。
「そこ行きたいの?」
「うん…でも、なんてゆうか迷…ったっていうか…その……」
高校2年生にもなって迷子を口にするのは、なんとも恥ずかしい。
「そっかー」
くすっと笑われてより一層恥ずかしくなる。
でも、それは馬鹿にしてる感じではないから嫌な感じはしない。
「その公園はね、あっち行くんだよ」
そういってそっちの方を指さす。
あたしもその方向を見る。
「それから真っ直ぐ歩いてけば着くよ」
ニコッていう笑いは、なんでか本当に安心する。

