当然、梓くんは驚いていた。
しかも顔が引き攣り気味。
だけど梓くんは優しいから、"若干"の引きだけで押さえてくれて、引き攣りながらも笑顔まで見せてくれた。
「…どうしたの?」
半泣き状態のあたしに困ったのか、エナメルバックを肩から外して屈む。
「あ…あのね!!そのね!!とにかく急いでて!!行かないといけなくて!!駄目なの!!だから!!とにかくね!!あのねっ!!」
テンパりすぎて似たような言葉を繰り返すあたしを、ちょっと待ってと言って止め、
「落ち着いて?深呼吸してみて」
神様の言われた通りに、深呼吸をスーハーしたら、もっとゆっくりと言われ、
もう一回、スゥーハァーと深呼吸をして…そしたらさっきより冷静さを取り戻した。
「落ち着いた?」
「…うん」
そういうと素敵なスマイルで笑ってくれて、思わずドキッとした。

