勇紀は黙り込んでしまった。

こんなあたしに、呆れちゃったのかな…。



「なら、聞きゃーいいじゃん。聞かないとなんも始まんねぇーよ」



器用に足元でボールを操りながら、冷静な勇紀の声がした。


それはかなりの正論で…

「それが出来ないから困ってるんじゃん…っ!!

勇紀はいいよね……一直線になんでも出来て…」


でも、あたしは出来ない。


そしたら勇紀はボールを少し高く上げてから、足元に持ってきて固定した。

パシッと乾いた音がした。


「お前、俺と同じで猛烈突進だと思ってた……てか、そういうお前が好きだった。」



目が、悲しそうに揺れていた。

あたしは胸が切なくなった。



「なんか、幻滅だな…」


がっかりした顔をしたあと、勇紀はまたボールをつき始めた。