「…違う」
「じゃあなんだよ?」
「別になんでもいいじゃん」
「なんでもいーわけねぇだろ!ちゃんと理由を…!」
「凌兄、お客さんみたいだよー……あ、ごめん…」
冬兎が入って来て、会話は遮られた。
だけどリビングの入口で止まってる。
多分、この格好がいけないんだと思う。
キスしそうとも受け取れるこの態勢に、勘違いしたんだと思う。
パッと、凌兄の手が顎から外れる。
その瞬間、体から力が抜けていった。
「…ごめんね?
凌兄、なんか家の前で女の人が凌兄呼んでたよ」
里夏さんだ……。
凌兄が渋い顔をした。
迷ってるみたい。
早く行っちゃってよ――

