「凌っ!」
ほら、彼女が呼んでるじゃん。
早く行ってあげなよ。
凌兄は無言のまま、あたしは自分の家へと引っ張られた。
「…痛いよ!」
リビングまで連れて来られ、そういうとパッと離した。
案の定、見ると腕は真っ赤になっていた。
考えてよね、あたしだって女の子なんだから。
…可愛くは、ないけどさ。
早く入ってしまいたいと、思ってた家が…重く感じる。
早く自分の部屋へ行きたい。
だけど…
凌兄の鋭い視線があたしに向けられていて、金縛りにあったみたいに動けない。
凌兄の手がそっと伸びてきて、あたしの顎を持ち上げる。
そんな動作に、胸がきゅっと切なくなった。

