「おい」
この怒ったような声は、誰に向けられているのか。
彼女ならいいのに…。
ふざけたこといってんじゃねぇーぞっ、て。
ねえ、言ってやってよ凌兄……。
さっきから、視線を感じる。
「おい」
きっとこれは、あたしになんだ。
明らかに怒ったような声。
なんであたしに怒ってくるのさ…。
あたしは無視を決め込む。
あたしは何も悪くないし。
「おい栞っ!シカトしてんじゃねーよ!!」
なんであたしが怒鳴られなきゃいけないの??
じわりと瞼に水が溜まる。
「凌!そんな怒鳴ったら可哀相だよ!!」
そういった彼女をチラッと見ると、ぎゅっと凌兄の腕にしがみついていた。
ズキンズキンズキン……
もう2人してどっか、行ってよ…。

