「凌っ!」
彼女が反応する。
凌兄へ振り向き、その瞬間…表情がパァーと明るくなった。
凌兄のことが、好きなんだとすぐにわかる。
あたしは彼女と反対に、凌兄から顔を背けた。
「お前、何してんだよ?」
「ん〜?凌の妹ちゃんと、ちょっと話してただけだよっ♪ね、栞ちゃん★!」
あたしに同意を求めて来て、あたしはうんともすんとも言わず黙っていた。
「ありゃりゃ…なんだか嫌われちゃったみたい…。まあ、仕方ないよね……確かにこんなカッコイイ“お兄ちゃん”じゃ、“妹”からしたら、お兄ちゃんを取られそうで嫌だよねぇ…。
寂しいな…。凌の妹ちゃんとは仲良くしたいのにな……」
どっから出してるんだ、寂しそうなその猫撫で声は。
凌兄はそういう子が好みなの――…?
なら……そんなことできそうにないあたしは無理そうだ。
一生……片思い。

