足が震える。
ぐらりと、倒れそうになる。
「でも、」
彼女はまた厳しい口調になった。
「凌はあなたのこと…妹ととしか見てない」
ズキン、とその言葉が突き刺さる。
「それなのに、あたしと付き合ってるのに……あなたの婚約者の話を断れない。
――なんでかわかる?」
彼女の言葉がすーっと頭に入って来て、
“妹としか見ていない”
そのことばが、頭の中にこべりついて離れない。
「…あなたのお父さんとお母さんに感謝しているから。自分を引き取って育ててくれたことに……凌は優しいから…。だから断れないのよ」
凌兄が彼女にそんなことを言ったんだろうか?
あたしは一度もそんなこと聞いたことがないのに…。

