彼女は
懐かしそうな顔をして、
口元に手をあてながら、
「――――……結婚の約束までしたのよ」
……そう、その綺麗な唇から零した。
ぎゅっ…と目をつぶる。
手を強く握りしめた。
痛い…
見たら爪痕が、くっきりついていた。
「……あたしのファーストキスは、凌なの……。
……だから高校で、再会した時は本当に嬉しかったわ」
この人は高校のときからなんだ…。
ぼんやり思った。
あたしと一緒だ……
そう思うのは、汚らわしく思えた。
「一度は別れてしまったけど、また付き合えて本当に嬉しいわ…」
キリキリと心臓がさっきから痛む。
あたしは心臓病なんじゃないか。
このまま死ぬんじゃないか。
―――…本気で思った。

