青信号に変わって、唇が離れたとき…寂しいと思う自分がいた。
前のときとはやっぱり違う。
好きを自覚したのとしてないのとじゃ…。
ドキドキ、がまだ続いてる。
凌兄にバレないように、運転している凌兄の顔を盗み見すると、さっきとまったく変わらない。
涼しい顔で運転をしている。
あたしだけ動揺していて、
本当に悔しい…。
キスの理由を聞くに聞けない。…でも、もともと聞く勇気なんてなかっただろう。
前はそんな…
理由なんて求めなかったのに。
気まぐれだとか思ってたのに。
知ろうなんて思わなかったのに。
今は、理由を求めてしまう。
…でも怖くて聞けない。
それは、あたしが凌兄のことを好きだっていうこと、なんだと思う。

