「ゆ、勇紀!あんた何のんびりしてるのよっ!!」
「は?」
「遅刻よ、遅刻っ!!!」
「はあ?だってまだ冬兎だって……」
……………………。
さっきまでそこにいた冬兎の姿はなく。
いつのまにか、冬兎は居なくなっていた……。
「やられたぁー!!」
「冬兎なんであたしにも言ってくれなかったのぉぉお!?」
あたしと勇紀は同時に嘆いた。
2人でテーブルにぐったりうなだれる。
こうなったら仕方ない……
もう遅刻してしまお………
「栞、勇紀ぃ?まさか遅刻なんてしようとか思ってないでしょうね?まさかそんなことないわよねぇ?」
遅刻したらわかってるでしょうね?…そんなお母さんの声がどこからか、脳に聞こえてくる。
『ハィィィイっ!!』
勇紀と完璧なまでにハモった。
あたし達は今、心が通じ合っているだろう。

