目線を真っ直ぐ前へ上げて行くと……
……凌兄がめっちゃあたしを見ていた。
心臓が大騒動しだす。
ドクドクいって、
このままじゃ本気で死ぬんじゃないかと思えた…。
やばい!やばい!
落ち着く為にもう一度コップを口まで運ぶ――…
「それ、俺の」
飲み物を口に含んだ瞬間、凌兄の声が聞こえた。
凌兄に視線を向けると、目線があたしが持つコップを指していた。
ぶーっ!!
「苦っ!!」
今、初めてコーヒーの味がした。
今までは心臓が暴れていたせいで、味わっていなかった。
あたしは急いでコップを置いた。
さっき凌兄を観察していたせいで無意識にコーヒーを取ってしまったのかもしれない。
苦さと恥ずかしさに泣きたくなる…。

