「それ、こっちのセリフだって…。なんでいつも…凌兄なんだよ。凌兄じゃなきゃ駄目なのかよ?」
顔をあげられなかった。
あたしは、黙っていた。
「わからない…」
やっとの思いでその言葉を口にした。
そんなのあたしが教えてほしい。
傷付いても、変わらないこの気持ちは一体どうしてなのか。
「………付き合って欲しい」
「へ…?」
今、予想外のことを言われた気がする…。
あたしの間違いだろうか?
勇紀は聞き返すと、照れるみたいに少し赤くなった。
「だぁかぁらぁ!
母さんが言ってる結婚とか関係ない。そんなこと考えなくていいから…俺と付き合って欲しいんだって……」
……はっ!?
驚いて目を大きく見開いた。

