ああ…もう全部どうでもいい。
きっと彼女は、凌兄のことがまだ好きなんだ。
「…違います!妹ですからっ!!」
急に大きな声を出したから、驚いたんだろう。
2人とも目を大きくさせて、驚いた顔をした。
…息もピッタリ。
もういいじゃん。2人とも両想いで、めでたしめでたし。良かったじゃん…。
良かったね、凌兄。
あたしは一人でさっさと歩き出す。驚いた凌兄は、後からあたしを追って来たけど…。
「凌兄、あの人と喋ってれば?あたし、電車で帰れるし!」
あたしは可愛くない。
あの人に比べてたら何十倍何百倍も。
本当は行って欲しくなんかない。本当は嫌だけど…。
そんなの、口に出来ない。出来るわけがない。
凌兄の気持ちは、あたしに向いてないって分かったから。

