自分でもあまり信じたくはないけれど、
あたしは凌兄の服の裾を掴んで引き止めていた。
そして……
「い、行きたいっ!!」
自分じゃないみたいだった…
意識した時にはもうこんなことを、口走っていた。
服を選びながら、微妙にわくわくしている自分に腹が立った。
なんで、行きたいなんて言っちゃったんだろー…
頭の中の中心でそれを考えていたはずなのに、いつの間にかそれは隅の方へ追いやられて、
今日着てく服を考えるのに、いっぱいいっぱいになっていた。
…結局、普通な感じにした。
まず可愛くワンピースを着ていく。という考えを思い付き、抹消。
次にテキトーにTシャツにジーパン。という考えを思い浮かべたが、それは何となく避けた。

