「…なんだそれ。そんな奴から貰ってくんなよ!」
あうっ。
すいません…
断ったんだけど、断り切れなかったというか無理矢理押し付けられて。
でも、返すって手もあったはずだ。
「…凌兄ごめ…っ」
「いい。返事はわかってんだろ?」
“無理だって伝えとけ”
そういうと、中身も読まずにその手紙をゴミ箱へ投げた。
それを見ていたら、
あの子の必死な顔を思い出して胸が痛んだ。
だけど、ホッとしている性格の悪いあたしがいる。
凌兄はそのまま机に座って勉強を始めてしまった。
あたしはもう用無しなわけで、
さっさと立ち去るべきなのだが。
なんだか釈然としなくて、ぼーっと突っ立っていた。

