「えーと…その…っ…」
このままでは逆鱗に触れてしまうのではないかとドギマギしていたら、急に凌兄の手が延びてくる。
へっ?へっ?へっ?
あたしはわけがわからずますますパニック状態を迎えて、
反射的に目をぎゅっと暝った。
「へぇ…こんなん持ってくるわけだ?」
そういわれて、目を開けると。
ひらひらと白い紙が左右にゆれていた。
ぎゃっ!?
い、いつのまに奪われたんだ…。
「あ…あの、そ、それはその……」
浮気がバレた夫のようにあたしはつっかえ言葉になり、肩身の狭い思いに駆られる。
「で、これは誰からなんだよ?」
「……な、名前は知らなくて…」
というより、今日初めて喋りました……。

