ガッ!!お前か!!
がつがつ…いや、ガシガシ?どんどんとこっちへ歩いてくる、見慣れた人間を呆れながら溜め息をつく。
「あら、勇紀。このクラスに来るなんて珍しいわね」
近くに来ると友利亜も気付いて、勇紀に声をかけた。
「…ああ」
歯切れの悪い返事をしながら、目線をこっちにチラチラ向けてくる。
「なによ?」
「……お前、教科書。教科書、貸せよっ」
「どーせあんた寝てるでしょ」
勇紀が授業中、勉強なんてするわけない。根っからのサッカー馬鹿だから、朝練で疲れてずっと寝ているくせに。
教科書なんてわざわざ借りに来なくてもいいじゃん。
「…い、いいからっ!貸せよっ…!」
しつこいなあ…。
仕方なく机から出して、教科書を勇紀に貸す。

