『雛、美味しいよっ♪』
お母さんなんかより、全然!
そういうと雛は嬉しそうに笑う。
その笑顔がまた可愛い。
あたしは箸をくわえながら見つめ、空いてる手で雛の頭をいい子いい子する。
と、食事を再開しようと横から前に向き直ると、ふと勇紀が視界に入った。
あ…そういえば。
『勇紀。あんた、足大丈夫なの?』
『あ?』
夢中でトンカツを食べていた勇紀がこっちを向く。
『あ〜、全然よゆー!』
『うそうそ。この先の試合、全部見学だってさっ』
勇紀が言った瞬間、冬兎が訂正した。
ああ…やっぱりね……。
ちょっぴりあたしのせいかな?
『ごめん。やっぱ止めとけば良かったね』
告白に驚いて、更にあの真剣な顔につい無理矢理止められなかった。

