がぁぁぁあ!と頭の中から記憶を掻き消す。
「あ、お兄様。それ、最近人気の人ですよね?」
まだお兄様だよ…
そう思いながらも友利亜の言葉に反応して"それ"を覗きみる。
"それ"はCDだった。
ジャケットは手を繋いだ後ろ向きの男女が映っていて、周りは空だった。
来ないだのMDの曲かな…?
「最近すごい人気ですよねえ!あたし大好きなんですよー。もしかしてお兄様も好きなんですか?特に同じ歌詞で男女がソロで歌ってるヤツ、あれいいですよね!」
「…俺はあんまり…」
なんだかそう言った凌兄の声が、あまり答えたくないという風に感じた。
「え…そうなんですか?じゃあ誰かの趣味とか?」
チラッと友利亜はあたしを見たけど、首を横に振った。
その反応を見て、少し考えるそぶりをして、友利亜は言いにくそうに…言った。
「…あ、じゃあもしかして昔の彼女、とか……?」

