「栞」
あたしはピタッと止まる。
「な、なに?」
いきなり『栞』って凌兄に呼ばれると、ドキッとする。
「勇紀の試合行くんだろ?ついでに乗せてってやる」
目をぱちくりとさせる。
「そ、それはどーも…」
な…なんだか変な感じ……。
「さっさと支度しろ。遅かったら置いてく」
はい!と何故か返事をしてしまい、急いで着替える為に自分の部屋に向かった。
我ながら、なに返事してんだあたし…と思いながらも、ちゃっちゃと支度を済ませていく。
凌兄が着替えた終わった頃に、ちょうどあたしも支度が終わった。
「さっさと乗れ」
さっきから偉そうに言われながらも、あたしはどういう訳か素直に従ってしまう。

