「おいっ!」

2階の窓から、凌兄の声がした。



「何!?」


慌てていて、ぶっちゃけ今声掛けないでよ!と思いながら返事をしたあたしに、凌兄は意外なことを言った。



「送ってくか?」


えっ………


「いいのっ!?」


「待ってろ。すぐ行く」


まーぢーでー??
うわっ、ラッキー♪



凌兄は本当に、車のキーを持ってすぐに来た。

車庫から出し、直ぐさま助手席に飛び乗った。
(凌兄の気が変わったら困るからね!)


それにしても…
こんな奇跡もあるんだな。
今日は雪が降るのかな?
いや…でももしかして…なんか企んでる?


「…なんだよ。人の顔ジーィと見て」


「……凌兄。なんか企んでる?」


「は?」