忘れないで…

そして、いよいよ今日で僕は死んでから1年の節目。


正直怖かった。

いつ消えるかわからない、幽霊という不安定な体。

多分、今日で本当に消えると思う。


そして、啓太はもう1ヶ月以上来てくれていないことも、だんだん僕が生きていた頃と変わらない様になっていく家族も、怖かった。



みんなの中から僕が消えてしまうような気がしたから。




午後5時半。
僕が死んだ時間、和室にみんなが集まっていた。

みんなの中にはもちろん家族の姿があった。

そして、絢ちゃんと啓太の姿も。


久しぶりの啓太は最後にみたときよりも背が伸びていて、声も低くなっていた。

幽霊になって、成長が止まった僕とは違って。


またちょっとさみしくなって、啓太の方に近づいて、顔を覗き込んだ。


成長した啓太は、あの日のように泣いていた。

少し驚いて、周りをみるとみんな泣いていた。


それを見た瞬間、僕もまた泣きそうになった。



覚えてくれていた啓太に安心して、みんなが僕のために泣いてくれたことへの、嬉しい気持ち。

それと同時に、まだ消えたくない、もっとみんなのところにいたい、でももうすぐ消えるだろうという、悔しい気持ち。


2つの気持ちがぐちゃぐちゃにまざって、どうしようもなくなる。



そんなとき、僕の中で1つの思いが強くなった。








みんなと、また話したい。