「忘れるわけないだろ!」


「へ?」


いきなり叫ばれたから、今度は僕が気の抜けた声を出してしまった。

 


「親友のこと、忘れるなんてありえないから!その…あの時のこと、ちゃんと考えたら責任感じちゃって、来るに来れなかった…みたいな感じだから。

むしろ1日も忘れられなかったから!」


啓太の話を聞いてから、2人で泣いてた。

しばらくして、僕は右手に違和感を感じたから見てみた。





やっぱり、指が消えていってる。


もうすぐ、僕は消えるんだ。

僕が消えてしまう前に啓太に1つ聞きたいことがあった。



「ねぇ啓太、僕が消えてもずっと覚えててくる?」


やっぱり、忘れられるのが一番寂しい。


「あぁ、当たり前だろ!忘れられるわけ無い」


「よかった。」



僕がそういった時にはもう、体のほとんどが消えていた。



「約束だからね?絶対忘れないで。

それと最後に、僕、啓太と親友になれてよかった。


ありがとう。」




それを最後に、僕の体は小さな光の粉になり、溶けるように消えていった。







ありがとうの言葉を残して。