「先日なくなった平和条約に対して国民から不満の声があがっています。
私達も手を取り合い…」

 学校に行きながら聞こえた車からの煩い声

 つい先日のことだ。
 防衛省と手を組んだ自民党が戦争法案を出して、戦争をする為に平和条約を消された。
 かなりの人が反対の声をあげてたけど、お偉い人達には俺等の声なんて赤子の泣き声くらいにしか聞こえてなかったみたいだ。
 結局、国とか国民の為とか言ってる奴も本当は自分が大事なんだろうね。

「永遠は平和条約なくなってどう?」

 一緒に学校へ行っている唯が言った。

 あ!俺は、西條永遠(サイジョウトワ)
 ごく普通の公立中学校に通う2年生だ。
 特に目立った才能はないが作文を書くのと発想力想像力はとてもある。
 後、俺っていう癖があるが女だ。
 見た目も男っぽいが仕方ない。
 唯みたいに髪を伸ばしたりしないからな。
 
 一緒に学校に行っているこの子は、大橋唯(オオハシユイ)
 成績優秀、運動神経抜群。水泳部に所属していて未来の期待ある水泳選手で、俺の可愛い幼馴染。

「特にないかな?」

「でも、嫌だなーとか」

「いくら嫌つっても大人等は俺等子供の話なんて聞き耳たてねーよ」

 もし、俺等子供の話に耳を傾ける偉い奴が1人でもいたのなら、もしいたならこんな事には…