その日の夜、優希先輩からメールがきた。





『電話しようと思ったんだけど、今日は遅いのでメールにしました。


今日はありがとう。


また明日莉奈ちゃんと喋れたらいいな!


おやすみなさい』







このメールを!携帯の向こう側で!あの学校のアイドルが!打っている!



信じらんない〜!!



「でへでへ〜」



「おい、姉貴、それはキモい」





何かと思えば今年中3の弟が部屋のドアを開けて寄りかかっている。



「うっさいなぁ!ってゆーか、勝手にドア開けないでよ!ノックしなさい、ノック」




「んー、毎日してるよ?ノック」




にまーっと憎たらしい顔で笑う弟は、そういえば野球部だったっけ。




「それじゃないわよ!ばか!」




「なに?男でもできたわけ?」




「で、できてないわよ!ってなに聞いてんのよませガキ!」




「まぁ、こんな姉貴じゃ男の方が嫌がるか!」




そう言いながらまた憎たらしい顔で部屋に戻っていった。



「翔太のくせに〜〜」





あれ、今までもこんなだったのになんで急にこんなに腹立たしいんだろう。





「うーーーん」







はっ!!!!




あいつに似てるからだ。


翔太が海斗とかぶって見えるからだ。





くっそ〜〜〜!


こんなところでまで苦しめられるとは!!






「そ、そんなことより!」






優希先輩に返事しなきゃ!




ぽちぽちっと返して、最後におやすみなさいと付け足すと、私はそのまま眠りに落ちた。