「あなたはまだ生きてる…今頃は病院のベッドの上で寝ているわ…下を見てみたら」

下を見てみる…確かに僕の体がベッドの上で寝ている…身体中に包帯が巻かれているが…確かに生きている様だった…


「あなたは後少ししたらこの空間から、いえ私の思念の世界から出られるはずよ…そうすれば意識も戻る…」


「そうか…よかった…」


思わずホッとする…

そんな僕を尻目に彼女は言う…

「もう、いいわ。さっきはあんな事を言ったけど…ホントはわかってる。私が死んでしまったのはあなたのせいなんかじゃ無いって事を。」


「うん…」

「最後に…お願いしても、いいかな?」

「うん…」

「私の事を知っている人間は、世界に数人しかいない、その中でも私を覚えている人って、もう健一しかいないの、だから毎日とは言わない、1年でも2年でもいい!その中で1日だけでも私を思ってくれる日があると良いなぁ…人は皆から忘れられたら2度目の死を迎える、でも、誰かが健一が私を覚えていてくれるなら…」

「私はそこにいるから…」

「うん…絶対に忘れない…僕は君を絶対に忘れたりなんかしない…だから君もどうか…」


安らかに眠ってください…