僕はこの子になんて言葉をかければいいんだろう?

静寂が二人を包んでいた


暫くして愛梨がその静寂を破り口を開いた

「全部見てきたんだね…」

「うん…見てきた…」


「私に何か言いたいことはある?」

言葉が見つからない…何も言えない…


「あなたさえ…いなければ!私は生きられた!私もあなたが生きていたあの世界で生きてみたかった!あなたさえいなければ!!」

そこで愛梨は崩れ落ちた…泣いていた…

僕は重い口を開いた…

「ほんとにゴメン…僕のせいで君は人としての生を受けられなかったんだね…僕は君と言う存在も知らないまま生きていたんだね…申し訳なく思う。」


「ゴメン?申し訳なく思う?そんな言葉聞きたくない!ほんとに申し訳なく思うんだったら何か私にしなさいよ!言葉じゃなくて行動で示してよ!」


「出来るならそうしたい…でも僕はもう死んでしまったから…」


「いいえ、あなたはまだ死んでない…」


「えっ…」