山内の旦那と別れたあと、俺は真っ直ぐ公園に向かった。
「おはよう。武蔵くん、祐希ちゃん」
俺は彼ら(彼女ら?)を見つけ声をかけた。
「おはよう、富井さん」
祐希ちゃんは明るい笑顔を俺に見せた。
う~ん、ホントにこのヒト、男なの?
どう見ても女にしか見えないな、ホント。
「ほら、武蔵、富井さんがアナタに会いに来てくれたよ!」
そう言って、祐希ちゃんは、ヒョイと武蔵を抱え上げ、俺に手渡した。
まん丸のつぶらな瞳と、アップルヘッドと呼ばれるまん丸頭の武蔵は、ホントかわいらしい。
ボーダーコリーのエリザベートと同じ犬族だとは思えない大きさだ。
武蔵はペロペロと俺の顔を舐めようとしている。
かわいいヤツだぜ、マッタク。
そんなやって、武蔵と遊んでいるところで、俺の携帯が鳴った。
「もしもし」
ニーナからだった。
『もしもし、トミー?今、大丈夫?』
大丈夫じゃない状況だったら電話になんか出ないよ。
「どうした?もう戻ってくるのか?」
『ううん、違うんだけど、ちょっと、トミーに相談したいことがあってね』
電話の向こうの彼女の声に、なんとなく緊張感というか、なんというか、いつもと違うものを、俺は感じた。


