汚れた恋心

「相当落ち込んでるね…?」
と由香は言う。
「うん、…彼女がいるって…」
そんな莉子を無視して
由香が自分の鞄を漁り出す。

「じゃあ、これ。
今日、食べに行かない?」
由香から渡されたのは、
新しく出来たらしい、
カフェのパンフレットだった。
「ケーキでも食べてもう忘れときなよ」
と言って由香が歯を出して笑った。

「由香ああぁ…!」
と言って由香に飛びつく。
やっぱり持つべきものは友達だ。
由香がいい子すぎて涙が滲んだ。
「ほら、早く支度しないと置いてくよ。」