汚れた恋心

「あ!茜ちゃん、
私に用があったんじゃないの?」
さっきの呼びかけを思い出して
莉子は言う。
「あ…、あれね…。」
茜は目を逸らして気まずそうにする。

「莉子ちゃんが元気ないのに、
こんな幸せな気持ち、話せないよ…。」
茜が後ろで手を組んでもじもじしている。
その動作が可愛らしかった。

「全然いいんだよ!話して!」
無理やり笑顔を作ろうとして
少し引きつったが、
茜は話す気になったようで口を開いた。

「あ…あのね!恭がプレゼントで
ペアリングをくれてね…。それで…すごい
嬉しいんだけど…学校でも、
指輪つけちゃってもいいのかなぁ?」
莉子は一瞬にして頭が真っ白になった。
〈どういう事…?恭が…?プレゼント?
って言うことは茜の彼氏って…〉