「も…やだぁ…っ」
誰もいない美術室で1人泣く。

私、高梨 莉子(たかなし りこ)は
ぽろぽろと零れる涙を
拭うのに必死だった。

「確かに…私は…可愛く、ないけど…
あんな…酷い言い方、って…!」
文句を言いたいが、泣いてるせいで
うまく喋れない。

そう、莉子は好きな人に
振られたのだった。
しかも、かなりきつい口調で。

「は?俺、彼女いるんだけど。
俺のこと本気で好きなら
そんなことぐらい知ってろよ。
ていうか、ちょっと優しくだけで
好きになっちゃう女、うぜー。」
そして、彼は鼻で軽く笑って
帰って行ったのだった。