汚れた恋心

莉子は茜の姿を想像した。
茜の目、リボン、髪飾り…
どれも綺麗な深い赤色だった。

「そっか…、血だ。」
誰にも聞こえないよう、小さく呟く。
茜の血が必要だ。
美術室へ向かう廊下を歩きながら、
更に考える。
〈赤い絵の具に彼女の血を
混ぜればいいんだ…〉

再び美術室へ戻ると
室内に電気がついていた。
誰かいるらしかった。
中に入ると一人の後輩が椅子に座って
絵を描いていた。
彼は飯田 隆弘(いいだ たかひろ)
と言う。一年の男子生徒で
顔もそこそこいいと思う。