「うふふふ」

ベッドの上で、大きなくまのぬいぐるみを抱き抱えながら声が漏れる。

今日は幸せな日。

記念日にでもしようかな、私だけの。

そう思ってカレンダーの前に赤いペンを持って仁王立ちする。

今日は、12月の、えっと...

...24日?

うそ、クリスマスイブじゃん!

自分には無関係すぎるイベント事に、初めて気づいた。

ということは、明日はクリスマス。

こんなにも、先輩に会いたいと思ったことはなかった。

明日も会えるかな?

もう、今すぐ会いたいけれど。


すると、机の上でスマホの画面が光っていた。

画面には

“杉原太一”

ずっと連絡はとっていたけれど、電話が来たのは初めてだった。

心臓が一度大きく跳ねて、それからどんどん心拍数が上がっていった。

落ち着け、自分!

そう言い聞かせて、深呼吸。