棗はあたしの家の下に迎えに来てくれた
「よう。今日どこ行きたい?」
「どこでも。」
棗と一緒ならどこだっていい
「わかった。」
この
棗の後ろに乗ってる時が一番好き
風が心地よくて
なんでも忘れられる気がする
棗を近くに感じれる
着いたところは
海だった
「わー、あたし海なんて初めて来た。」
「まじかよ?ここすっげー綺麗だろ。俺のいっちゃん好きなところ。」
優しい目で笑う
「うん。すげー綺麗。」
隣に立つ棗を見て
改めて思う
この小柄な体で
誰よりも喧嘩強くて
でもすっげー優しくて
温かい手を持ってる
こいつが
好きなんだって