「…………」





「…おいっ!」




振り向いた先にいたのは







棗。










「…おう。今日ってなんで‥‥‥」


「いいから、ちょっと来い。」





あたしの言葉を遮るように




そう言うとあたしのうでを掴んで






歩き出す









「‥‥‥え、………」












連れて行かれた先には








湘南TRUTHのみんながいた












「よ~、千紘ちゃん。元気ー?」



「すっげぇ久しぶりじゃん。」


「京平、ちゃんと大事にしてやってる?」









いろんな人があたしを知ってくれてる












それだけでこんなに嬉しいんだ













「ほら、乗れよ。」







棗の後ろに乗る











「なぁ、今日なんかあんの?」






「あ?ああ、今日集会なんだよ。」





「……は、あたしここにいていいわけ。」





「その為に呼んだんだよ。しっかり見てろ。」

















今日は湘南TRUTHができて












八年目の特別な日らしい















棗は三代目で












16の時になったみたいだから















今日で二年目になる





















ブオンブオンブオンブオンブオンブオンッッ















夜の街に鳴り響く









バイクの音














湘南TRUTHの音




















「………てめぇらァァァァ!!!
俺がもっとTRUTHをでっかくしてやっから
覚悟してついて来い!!」










棗が叫ぶ。








みんながそれに応えるように















バイクを吹かす



















「……つかまってろ。」














棗のお腹にうでを回した



















それを確認してまた










バイクを吹かす





















暗い夜の道路に







テイルランプが輝く

















それは









キラキラしてて












すごく綺麗だった




















楽しそうに走る棗の背中に向かって


















聞こえない声でつぶやく






















「………………好き………」