バイトが終わって





いつものように帰る準備をする









今日は昼で終わる日









あたしは今から





あの女に







会いに行く。














「おい。千紘!」






歩くあたしを呼び止めたのは









「な……つめ?」






棗はこっちに駆け寄ってくると





「お前に渡してーもんがあって。」





そう言ってあたしの手に何かを握らせた。






なに………?






手を開くと






あったのは






「指輪?」



「おう。お守り。おまえ、いつも寂しそーな顔してっからさ
それ、はめとけ。」



「いつもって?」




最近全然会ってないのに………






「俺見てたんだよお前を。バイトの時とか。」





そう……なんだ、





「じゃ、またな。」





あたしの頭をポンポンッとすると


行ってしまった。











なんでこんな時に会うんだよ………………












心がわかんなくなる















けどやっぱり













止められない















あたしは













あの女のところへ











行くんだ。