あたしが連れて行かれたところは



暴走族の溜まり場みたいなところで……………



「何ここ?」



「ん?俺らの溜まり場。」



だろうね!!



どう見てもそうじゃん!!






「なんで、あたしを連れてきたの。」




「お前に知ってほしくて。」



「何を?」



「俺らのこと。」




意味がわからない



なんであたしに知ってほしいわけ?



知らなくていいし別に。






「ここにいる奴ら全員
湘南TRUTHのメンバーなんだよ。」



「湘南TRUTH…………」



「おお。知ってる?」



知ってるもなにも





すごい有名だよ




湘南で一番でかい族って。


「あんたはなんなの。」



いつも前にいて。





「頭。」




頭?!


こいつが?



こいつなんて男のくせに背でかくないし(せいぜい168,9)


髪も普通だし。(まあ、色はあっかるーい金だけど)


ってか族ってリーゼントとかじゃないの?!




顔はなかなか悪くはないけど…………



いやかなり……………






けどけどけど!!




こいつが頭?!






「お前こいつが頭?!って顔してんな。」





何こいつエスパー?



なんで分かんの






「次はなんで分かんの?って顔。」




おいおいおい!


怖いわ!!!




「お前百面相だな。……っく、ふはっ」



棗は何が面白いのか突然笑い出した。



「なんだよ。何が面白いんだよ?」





「お前の顔。」




はいいいいいいい?!






何だこいつ



人の顔見て笑ってんの?





ひとしきり笑った棗は




またあたしの手を掴んで




奥へ進む。




「あー!!あの子!!」


「え、京平。知り合い?」






次々と話しかけてくる男達。





「おう。俺の女。」




そう言って肩を抱いてくる。




「おんな?誰が?」



棗の顔を見て言う。






「お前。」








あたし?



は?




あたしがこいつの女っ?




「いやいや、おんなじゃねー…………



「まじ?!京平の彼女かよ!?」


「すっげー可愛いじゃん!!」



否定しようとしたあたしの声を遮る男達。





「よろしくな?」



そうあたしの耳元でつぶやいたのは


棗……………




てめぇ………

何が女だ!!






「そう怒んな。」


「怒るわ!!」







_________



これがあたしの人生を変えることになる




湘南TRUTHとの


出会いだった。