「千紘ちゃん。…………」
おねぇちゃんは、集中治療室に入ってた。
治療室の前に貴仁さんがいる。
「………どういうことですか?なんでおねぇちゃんが………?」
「今日用事で、こっちにいたんだ。
その行く途中歩いてる時に車がこっちに突っ込んできたって……それで………」
車…………事故……………
お父さんと一緒…………………
集中治療室から、医者が出てきた。
あたしと貴仁さんが駆け寄る。
「あの!春子春子はっ、どうなったんですか!!」
貴仁さんは今までにないくらいに取り乱してた。
「すみません……。最善は尽くしたんですが……もう…」
そう言って首を振った。
は?何言ってんだよ。
おねぇちゃんが死ぬとかありえないから。
ふざけんな。
「意味わかんない意味わかんない!!
あんた医者でしょ?だったら、助けろよ!!
死なせんなよ!!ふざけんな!!!」
なんでなんでなんで!!!
「…すみません。…どうか最後を看取ってあげてください。」
医者は治療室のドアを開けた。
おねぇちゃんの側に駆け寄る。
顔には傷はなくて
寝てるみたいだった。
「はるこぉ………はるこぉ!!」
「おねぇちゃん、おねぇちゃん!!!!」
頬に手を当てると
まだ暖かかった。
「死ぬなんてないよねぇ……………あたしのことおいてかないよねぇ…………約束したじゃん………また、話そうって、言った
じゃんねぇ、おねぇちゃん死なないでぇぇ…………」
涙が止まらなかった。
どうしておねぇちゃんが死ななきゃいけないの……………
あたしをおいてかないで……………