「……おい、このクソ童貞野郎。」
「深影!?大丈夫か!?」
何も聞かされてなかったんだろう、大和が駆け寄ってくる。
が、俺の機嫌の悪さを悟ったのだろう。そそくさと後ろに後退った。
「ど、童貞じゃねーし…」
「んな事はどうだっていい。退けろ。」
「どうでもいいんだ…自分で言ったのに…。」
呆れながらも悠里も一歩一歩慎重に席から離れる。
他の人も俺達から離れて行っているというのに、苓は全然気が付かない。
「退けねぇって言ったら?」
「……こうする。」
そして、俺は強引に立ち上がった。
上に乗っていた苓はそのままずれ落ち、逃げられる前に足を踏む。
「ちょ、痛てぇ!足!足踏んでる!」
「わざとだ。」
「わざとなら退けて!?」
「……はぁ」
話進められないし、仕方ないから、足を退けてやった。
俺は先程まで悠里が座ってた場所に腰を下ろし、床にへたり込み足を擦っている苓を見下した。


