俺が真剣にそう聞くと悠里はブハッ!と笑い出す。
口の中に運ばれそうになっていたクリームが風圧で、宙に舞う。
それはそのまま、俺の頬につき、たらりと流れていった。
「……いや深影。流石に……それは無えだろ。」
あと、失礼だぞ悠里。そうやって大和は言うけど、笑いをこらえている事がすぐに分かる。
「っあっはははははははははは!苓不味そうだもん、食べなく無いよ!」
それを聞いていたのか、周りの人たちにも伝染して店内には笑いが響き渡る。
ふと、その時だ。
いきなり足が地に引っ張られた。
――――いや、違う。誰かが引っ張ったんだ。
テーブルの下に引きずり込むように。
俺はそのまま地面へと顔面から打ち付けられる。
「っ〜〜……!」
鼻が、痛い……。
悶えるように鼻を抑えて涙を堪えていると誰かが俺の上に乗った。
「よっしゃ、引っ掛かった!てか、悠里ひどい!」
上から聞こえるのは電話で聞いたテノールより低くバリトンより高い…中間くらいの声。
そう、苓だ。
真っ白な髪をゆらゆら揺らし、にんまりとした笑顔で左右に揺れている。
「……………」
女子だったら可愛いと思うのかもしれない。
だが…、今の俺にとっては挑発にしか見えない。


