屋上に続く階段の傍に行くと、俺の足音の他に泣き声が聞こえてきた。
と言っても、俺の足音が響いた途端泣き声も止んだが。
どうやら泣き声の主は屋上の扉に背中を預けていたようでばったりと出くわしてしまった。
「……どうしたんだ?」
「…深影さん。」
俺の声で顔を上げたのは茜だった。
泣き腫らしたのか目元が赤くなっていた。
「……何でも無いの。気にしないで。」
「何でもない訳が無いだろ……はぁ。そこ、避けろ。」
俺がそう言うと茜は首を傾げながらも避けてくれた。
いつものように鞄からピッキングツールを取り出し鍵を開ける。
「…犯罪だよ?」
「いいんだよ。」
苦笑いしている茜に手招きしながら屋上へと出る。
梯子を登り、茜が登るのを手伝ってやる。
「わ…すごい…!」
「寒かったら言え。ブレザーぐらいなら貸してやる。」
立ったまま景色を眺めている茜を一瞥して床に横になり、目を瞑る。
サボったのは授業が面倒だったと言うのもあるが眠いという理由もあったから、寝ようと思ったのだ。
「…あと、戻るとき寝てたら一声かけてくれ。」
「あ、うん。」
……いきなり居なくなったらびっくりするしな。
茜が隣に座った気配がした。


